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この記事は MyPace English (MPE) の英会話講師向け 研修資料と 講師との対話の 一部を 抜粋・編集したものです。


音節区切りの習慣をつける - 英語の発音を改善する


言語学の学者の方たちは、日本人が英語の音声を苦手とする理由は、英語の音節数を正しく数えられないからだと 言います。 この 意見は 正解であると思います。 日本人は 英語音声を聞く際、英語と日本語の音声学的な違いから、韻律の知覚 に困難を感じるのです。

英語の音節(シラブル = syllable)は、単語の中の 1音で発音されるまとまり を指します。 日本語の場合、音節は 子音+母音 の1セットが基本であり、 日本語の音節と文字はほぼ一致しているため、音節を意識しなくても 普通に発音することができるのです。

例) YA-NA-GI (ヤナギ)は3音節です。
しかし、私たちは、英語を音節で分ける演習を 学校では行ってはいません。 そして、日本人が、英単語の音節数を数えると、実際より多く数えてしまうことが、カタカナ英語の原因になっていることにも気づいていません。 英語の韻律知覚には、強勢(ストレス)の位置の他、音節数や、子音の数などが、関係していて、これらが 音節数のカウントが困難にしているのです。

音節が数えられない、分かりやすい単語を 例として挙げると、 Fifth (= 五番目)を 、英語初心者は3音節と捉え、学校で英語の得意な人は 2音節と捉えますが、実際は 1音節です。 それが 重要なこと? と問う人も多いですが、日本人の多くは 文章中の Fifth を 聞き落としている、そして、その音記憶さえ残らないのです。 記憶に残らなければ、聞き間違えたという 実感もない。 リスニング演習は、このように 単語より小さい単位の 音素・音節 の仕組みから知る必要が あるのです。

英語の各音節は、日本語より構造が複雑であり、そのぶん聞き取りにくい。 英語の8割以上の音節が、子音で終わる音節を閉音節 (closed syllable = CVC) であることが、その複雑性と大きく関係しています。
日本語は 母音で終わ 開音節(open syllable = CV)であり、日本人は 英語の CVC を CVCV で発音し、聞き取ってしまう。 言語リズムは 生理的な要素であり (母語干渉の頑強性)、ほぼ反射的に V (Vowl = 母音)を足してしまいます。

私たち 日本人は、この音韻論の原則を、知ることによって、顕在意識を用いて、自分の発音を 矯正することができるのです。


まとめ

- 英語のリスニング学習を始める前に、英語の音節構造と、母音持続時間について 基礎知識を持つようにしましょう。

- 英語の音節に 着目しないと、リスニング力、発音力はカタカナ英語の域を 超えられません。

- 開音節と閉音節の違い を説明できるようにしましょう。


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