母語干渉を踏まえた英語学習法を考える - TOP



この記事は MyPace English (MPE) の英会話講師向け 研修資料と 講師との対話の 一部を 抜粋・編集したものです。


母語干渉を踏まえた英語学習法を考える


第二言語の習得を目指す際、誰もが 第一言語(母語 / ここでは日本語)の影響を受けることになり、これを言語転移といいます。 言語転移には 良い転移(正の転移)と、悪い転移(負の転移)があり、負の転移については 母語干渉 と広く表現されています。  そして、日本人の英語学習者の誤用の中には、日本語の影響と思われるもの(= 母語干渉) が多くあります。


中でも、日本人にとっての 一番の難関は、カタカナ発音から脱却して 英語を話すことができない、韻律的母語干渉と言えるでしょう。 これは、日本語特有のリズムである、モーラ拍リズムの頑強性と、日本語と英語の言語間距離が大きいことが 原因であると思います。
ただ、英語の発音に関して、私たちは 中学や高校で 音声学や音韻論の基礎知識を 全くと言っていいほど習っていないことも 大きな問題であると思われます。


また、成人でも訓練により音韻カテゴリーを形成できること、多くの言語学者は語る一方、教育市場では 臨界期という言葉を 拡大解釈し、"英語の発音は 発達期の子供でないと 習得できない。" などと主張する人も 多くいるようです。


私たち 英会話講師は、成人の受講者に対して、認知言語学の定説を説き、音声学・音韻論の 基本知識を用いながら、韻律的母語干渉による影響を低減することを 踏まえた、ティーチング・メソッドを 確立する必要があります。
また、文法の知識や 語彙サイズに比べ、発音の正確性は、軽視される傾向にあります。


単語の強勢位置や、弱母音を強く発音することにより、英語母語話者は単語の認知や文章の理解が困難になることを強調する。 そして、知覚(リスニング)と生成(口唇での発音)の間には 関連があり、両面からの音声演習を続けることで、英会話の際 流暢性が生まれることを理解してもらうための、分かりやすい説明能力が、講師に求められます。


まとめ

- 英語音声の習得は臨界期を過ぎた 成人学習者にとっては容易ではありませんが、音声学の知識を用いて 論理的に把握できる点では、子供よりも 有利であると言えます。

- 英語音声における 母語干渉は、音素、音節、フットなどの単語より 小さな単位から発生しているため、ボトムアップ方式での発音見直しが求められます。

- 英語母語話者は 学習者の発話リズムなどの韻律面での正確さを 音声評価において重視する傾向がある。 つまり、文法や単語の知識が少なくても、発音の流暢性を獲得している 学習者は、英語母語話者から 実力以上の 評価を 受ける機会が多い。 (外国人の上司を持つ方には、重要な情報です)


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